CASE3 インプラント周囲炎
インプラント治療に関するトラブル・失敗事例として「インプラント周囲炎」にかかってしまうケースについて紹介しています。
インプラント周囲炎の原因
インプラント治療直後は調子が良かったものの、次第に違和感を覚えるようになりクリニックで診てもらったところ、「インプラント周囲炎」という病気にかかっていることが判明するといったケースもあります。
「インプラントは人工の歯なので病気になることなんてない」と思っている人も多いようですが、実はそんなことはありません。
たとえば上部構造(被せ物)の周囲にプラーク(歯垢)がたまると、天然の歯と同じように炎症を起こしてしまいます。天然の歯であれば歯周病に該当するこの病気こそが、「インプラント周囲炎」の正体です。
インプラント周囲炎になったからといってすぐに問題があるというわけではないのですが、その状態のまま長く放置しておくと、せっかく入れたインプラントにも少なからず影響が出てきます。
具体的には、インプラント周囲炎を発症した部分から炎症を示す物質が出されるのですが、それを体が感知するとインプラントを異物と見なして体の外に排除しようとし、インプラントが脱落しやすくなってしまうのです。
炎症を示す物質は、インプラント周囲炎という病気によってだけではなく過重負担(力のかかりすぎ)によっても生じます。インプラント治療後のメンテナンスにおいて、歯に余計な力がかかりすぎていないかを定期的に調べるのは、過重負担によるインプラントの失敗を防ぐためでもあるのです。
インプラント周囲炎の予防法とは?
インプラント周囲炎の予防には、クリニックでの定期検診と自宅でのケアが大切です。
クリニックでの定期検診では、自分では気づかない口内の異変を発見し予防することが可能ですし、万が一症状が現れていても適切な処置で早期の改善が期待できます。半年~1年に1回は定期検診を受けることを心がけましょう。
セルフケアの方法としては、基本的には歯周病の予防と同じです。さきほどご紹介したとおり、上部構造に付着するプラークがインプラント周囲炎の原因ですので、フロス、歯間ブラシ、ポイントブラシなどを使ってプラークを丹念に取り除くのが基本。実際のやり方については歯科衛生士が教えてくれると思うので、その教えをしっかりと守るように心がけましょう。