CASE1 治療計画の問題
「治療計画」に関する、インプラントの失敗事例について紹介しています。
インプラント治療の危険性とは?
インプラント治療(手術)は、「土台となるインプラント体を歯槽骨に埋め入れる」「上部構造を作製・装着する」という、大きく2つのステップからなります。
このように文字にしてしまうと非常にシンプルですが、実際の手術には精密さが要求されますので、治療を開始するにあたっては事前にしっかりとした治療計画を立てる必要があります。裏を返せば、十分な治療計画を立てずにインプラント治療を始めてしまうと、あとでとんでもない事態に陥ってしまう危険性があるので注意が必要です。
インプラントを2本入れたはずなのに1本足りない!?
ある患者さんの例をご紹介しましょう。
その方は下の奥歯2本を失ってしまったため、インプラント治療を受けました。しかし治療が終わっていざ物をかんでみると、2本埋め入れてもらったはずなのに、いちばん奥がうまくかみあっていない。疑問に思って治療を受けたクリニックとは別のクリニックで診てもらったところ、埋め入れたインプラントの位置に問題があることがわかりました。具体的には、2本のインプラントの位置が前方に寄りすぎてしまっていたため、いちばん奥の歯に対応する位置にインプラントがない状態だったのです。
このケースからも明らかなように、歯を失ってしまった部分に単純にインプラントを埋め入れただけでは、治療が完了・成功したとは到底言えません。
総合的な見地から口腔内のバランスを整えて、きちんと噛むことができるようになって初めてインプラント治療は成功したと言えるのです。そしてそのために不可欠なのが、しっかりとした治療計画なのです。
さらに根本的なことを言えば、患者さんの口腔内の状態・状況というのは一人一人異なります。場合によっては、インプラント治療を行うことが適切でないケースもあります。
だからこそ、確かな知識と経験に基づき適確な診断・治療ができるクリニック・歯科医を選ぶこと、そして患者さんの歯の状態に合わせた治療を行ってくれるクリニック・歯科医を選ぶことがとても重要になってきます。